一覧に戻る

小学生と中学生では勉強の動機付けが違う?子供のタイプ別にみた親の関わり方

動機づけには大きく分けて外発的動機づけと内発的動機づけの2タイプあります。年齢的に変化する動機づけは、親のアプローチの仕方で認識させることが可能です。

外発的動機づけは、外からの働きかけにより高められ「ほめられるために勉強する、怒られないように勉強する」など、報酬や罰により動かされるものです。一方、内発的動機づけとは、自分の内側から生じる力により高められるものを指し「興味があるから英語の学習をする、楽しいからピアノを習いたい」など、興味・関心・好奇心など内的な感情で動かされるものです。

さらに最近の教育心理学では、外発的動機づけが4つに分けられています。

外発的動機づけの細分化 (参考文献:佛教大学保健医療技術学部論集)

 

1. 外的調整:従順・外的な報酬や罰

「人から言われるから仕方なく」「やらないと叱られるから」

 

2.  取り入れ的調整:自我関与

「やらなければならないから」「不安だから」「恥をかきたくないから」

 

3. 同一化的調整:個人的な重要性・感じられた価値

「自分にとって重要だから」「将来のために必要だから」

 

4. 統合的調整:気づき・自己との統合

「やりたいと思うから」「学ぶことが自分の価値観と一致しているから」

 

上記1と2は、元々の考えである外発的動機づけそのままでしょう。3と4は、内発的に近い、もしくは内発的に位置します。小学校低学年では、勉強も楽しく取り組み、自発的に行う内発的動機づけが多いです。しかし高学年になるにつれ、勉強に対する意識が変わり、ヤル気が薄れていきます。主体的な行動はなくなり、周囲の指示により行動する上記1や2の状態になっていきます。

さらに中学生になると内発的動機づけは低下し、代わりに外発的動機づけが高まっていくのですが、周囲の関わり方で細分化された3や4の状態にすることが望ましいです。

小学校低学年のうちは、内発的動機づけの子どもが多いため、親はその状態を維持するような関わり方をすることです。決して外的につながる接し方をしてはいけません。「頑張ったらご褒美をあげる」など、報酬を与えるアプローチは外発的動機づけに変わってしまうので注意しましょう。

小学校高学年、中学生と学年が上がるにつれ外的な動機づけになっていくため、親は内的へと変化させる関わり方をします。将来の自分のために、いま何をするべきかを自分で考えられるように認識させていくのです。指示ではなく、あくまでも主体的な考え方ができるように親としてサポートします。

外発的動機づけ細分化の3や4へと着地させる関わり方をしましょう。そのためには親子で話し合い、未来の姿を想像させることです。

まとめ

内発的動機づけによる学習行動が望ましく、自主的に学ぶ力が何より重要です。年齢により内的から外的へと変化するのは必然のため、親は常に内的なサポートを意識しましょう。