一覧に戻る

塾の習熟度別クラス編成のメリットとデメリット

学習塾では学習に対する理解度でクラスをわける「習熟度別クラス編成」の制度を利用している塾と、利用していない塾があります。
塾選びをするとき、どちらの塾がお子様に合っているかで悩むこともあるのではないでしょうか。
今回は、習熟度別クラス編成のメリットとデメリットを紹介します。

習熟度別クラス編成のメリット

  • レベルに合った指導を受けられる
  • 学力底上げをしやすい

 

習熟度別クラス編成の最大のメリットは、レベルに合わせた指導を行いやすいということです。習熟度でクラスを分けていない場合、学習のペースによっては習熟度の高いお子様には「ペースが遅い」、習熟度の低いお子様には「ペースが速い」と感じられることがあります。
しかし、習熟度でクラスを分けると習熟度の高いクラスでは早いペースで学習を進めることができ、先取学習や受験対策などに力を入れやすくなります。習熟度が低いクラスでは焦らずじっくり取り組むことができるので、精神的なプレッシャーがかかりにくくなります。
また、習熟度に合わせた指導を受ることができるため、できることを強化しやすい、できないことをカバーしやすいことから、学力を底上げしやすいというのもメリットです。

習熟度別クラス編成のデメリット

  • レベルに合わないクラスになってしまう可能性
  • 「できない」を解消できないことがある
  • モチベーションが下がりやすい
  • 学習に対する刺激や助け合いが減る

 

習熟度別でクラスを分けるときはテストなどでクラス分けを行うことが一般的ですが、テストの点と習熟度は必ずしも一致しません。「たまたまよくできた」ということもあれば「あまり調子がよくなかった」ということもあるでしょう。
このような偶然などからレベルに合わないクラスになってしまった場合、自分に合った指導を受けることができません。習熟度確認のためのテストなどが定期的に行われ、クラス編成が適宜変更される場合でも一定の時間的ロスが発生することになります。

また、習熟度によって学習ペースや指導方法を変えることで「できない」にも対応しやすいとはいえ、「できない」の理由は一人一人異なります。そのため、習熟度に合わせているからといって必ずしも「できない」を解消できるとは限りません。「できない」を解消するには習熟度別の指導ではなく、個別指導のほうが適しているかもしれません。
さらに、習熟度で学習ペースや指導内容を変えると、習熟度が高いクラスと低いクラスの間に学力格差が生じやすく、習熟度の低いクラスのお子様が劣等感を持ちやすくなります。その結果、習熟度の低いクラスではモチベーションが下がりやすくなります。

また、習熟度別クラス編成では、自分よりもできる子を見て「自分も頑張ろう」という気持ちが湧いたり、学習が得意な子が苦手な子にアドバイスをすることで学習への理解が深まるといった学習に対する刺激や助け合いが少なくなるのもデメリットです。

まとめ

習熟度別クラス編成は、メリットだけではなくデメリットもある制度です。特に、習熟度が低~中程度のお子様にはデメリットになることが多いため、習熟度が低いクラスではどのような指導を行っているか、クラスの雰囲気はどうか、お子様の性格に合っているかなどをよく調べる必要があります。
また、お子様同士で刺激を受けたり、助け合ったりしながら学習して欲しい、仲の良いお友達と同じクラスで学びたいという場合は、習熟度別クラス編成制度ではない塾を選ぶとよいでしょう。