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塾講師が教える子供のやる気を引き出すために親が出来ること5つ。

受験を意識する時期になると不安で気持ちが焦り、「子供の学習を手助けしよう」という気持ちになるでしょう。

しかし、よかれと思ってやったことが学習意欲を削いでしまうということも多く、やる気を引き出すつもりが裏目に出てしまったと悩むお父様、お母様も少なくありません。

受験のストレスだけではなく、思春期ならではの不安定さも持つ年頃だけに、対応が難しい受験生のやる気を引き出すためには、どのようにすればよいのでしょうか。

親ができること

【受験生の親の立ち位置】

乳幼児期や小学校低学年のうちは、危険を予知する力や先を見通す力、問題解決力などが未発達なため親の世話が欠かせません。

しかし、思春期の入口に当たる小学校高学年以降になると「自分のことを自分でやる力」が身につくだけではなく、「自分のことは自分でやりたい気持ち」が強くなります。

親が干渉することを嫌ったり恥ずかしいと思ったりする時期ですので、受験や学習にも干渉しすぎないよう心がけるとよいでしょう。

例えば、子供が受験勉強をしているか、どのような部分に困っているのかを把握することは大切ですが、子供が求めてもいないのに塾の夏期講習に申し込んだり、勝手に「評判がいい参考書だから」といって子供との相性も考えないまま書籍を購入したりするのはよくありません。

「受験をするのは子供」と意識し、一歩引いた位置から子供をサポートするとよいでしょう。

【親は子どもの羅針盤になる】

親は子供から見ると「人生の先輩」ではありますが、時代は移り変わっているため、親世代が受験勉強をした時代とはシステムや考え方が異なる場合も少なくありません。

また、子供は子供自身の意思で自分の進路を考える力を持っていますので、親が「将来〇〇になりなさい。そのために〇〇高校を受けなさい。」というように、子供の進路を決め、人生の舵取りをするのはよくありません。

子供自身が「将来〇〇になりたい」というような意思を示したとき、あるいは「将来の目標はまだ見つかっていないけれど、とりあえず考える時間が欲しい」というようなときに、「それなら〇〇高校や××高校があるよ」など、羅針盤のように方向を示すだけにしましょう。

【成績や偏差値について子供を責めない】

受験生の親がやりがちなのが、模試の結果や成績、偏差値などを見て「これじゃ合格なんてできない!もっと勉強しなさい!」と責めてしまうことです。

しかし、その偏差値や成績で合格できないと最も強く感じているのは子供自身であり、勉強しなければという焦りを持っているのも子供自身です。

自分自身が不安を感じているところに追い打ちをかけるように責めてしまうと、自己評価が下がって自信を失ってしまうか、反抗心から勉強しなくなる可能性もあります。

また、学年順位や偏差値は相対的なもので、周囲の子供が大きく成長したときに下がることもあるため、すでに十分に頑張っているということもあります。

成績や偏差値などの数字だけを見て責めても状況は何一つよくなりませんので、責めるのはやめましょう。

【親自身が出来ないことを子供に要求しない】

英語の成績が伸び悩んでいる子供に「一日100単語覚えなさい」といったり、塾などのスケジュールでいっぱいになっている子供に「自主学習の時間を2時間増やしなさい」といったりするご両親は意外と多いものです。

子供に要求するときは、自分自身がそれを実現できるかどうかを考えてみましょう。1日で英単語を100個覚えたり、睡眠時間を削って勉強をしたりできるでしょうか?おそらく「不可能だ」と感じるでしょう。

親自身ができないことを「できて当たり前」のように子供に要求するのはやめましょう。

実現不可能な高すぎる目標を掲げるのは挫折体験を増やすだけで何のメリットもありません。

子供の実力に合った目標を設定して成功体験を積み重ねることで自信を育んでいきましょう。

【遠すぎず近すぎず、適度な距離を保つこと】

子供の受験に干渉しすぎるのはプレッシャーを与えてよくないという考えから、子供の受験に対して距離を取るご両親もいます。

しかし、あまりにも距離を取りすぎて「子供の受験に関心がない」ように見えるのは考えものです。子供が不安を感じたり、「受験について相談してもあてにならない」と考えたりする原因になります。

距離が近すぎると「過干渉」になってしまいますが、遠すぎると「放置」のような状態になるので、遠すぎず近すぎない適切な距離を取りましょう。

まとめ

重大な試験を控えているというだけではなく、思春期の子供特有の扱いにくさがある受験生への対応は非常に難しいものです。

幼児なら「ただ褒めるだけ」でよかった子供も、思春期になると「単純に褒めるのは馬鹿にされているように感じる」「成果が出ていないのに褒められると傷つく」など、感情が複雑になってやる気の引き出し方も難しくなっていきます。

1人の子供ではなく、不完全ながらも自分の意思をもった大人として見て実力を認め、信頼の気持ちを態度で示すことでやる気を引き出せるかもしれません。

 

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