塾や部活、習い事を両立させるためのコツは何ですか?また、注意点についても教えてください。
学校のあと塾通いを始めようと考えたとき、習い事や部活をしていると「どれかを辞めなくてはならないのではないか」と考えることもあるでしょう。
体力の消耗が激しい運動部に所属していると「疲れて勉強に身が入らないのでは」と不安になるほか、音楽やバレエなど趣味性の高い習い事は「将来役立つわけでもないし…」ということから辞めるという選択をしがちです。
しかし、成績や実績とは関係なく、部活や習い事に「やりがい」や「楽しみ」を見出している子どもも多いので、可能なかぎり両立できるのが理想です。
両立させるにはどのような工夫をすればよいのでしょうか。
両立のコツ
【1週間のスケジュールをチェックして無駄がないかチェック】
塾と部活などの両立はできない・難しいと考えるお子様の多くが、「時間がない」を理由に挙げています。
しかし、ライフスタイルを確認すると「ただ何となくテレビを見ている」「スマホで動画を見ている」など、無駄にしている時間が意外と多く、「時間がない」というのはスケジューリングが上手にできていないだけだったりします。
両立を目指すなら、まず1週間のスケジュールを書きだして、無駄がないかをチェックしてみましょう。
「やらなくてはならないこと」「できたらやりたいこと」などを分類し、「やらなくてはならないこと」を優先的にスケジュールに組み込み、「できたらやりたいこと」は移動中などのスキマ時間にこなしていくようにするとよいでしょう。
【スケジュールを詰め込みすぎない】
スケジュールを書きだして1日の計画を立てるとやりがちなのが「スケジュールの詰め込みすぎ」です。
例えば、学校の授業のあと部活を始め、部活終了30分後に塾で勉強。帰宅したらすぐに食事と入浴を済ませて自宅学習というようなスケジュールを立てたとします。
しかし、このスケジュールは何のトラブルもなく進めばこなすことができるのかもしれませんが、「部活の片付けが長引く」「バスや電車に乗り遅れる」などのトラブルがあるとこなせなくなってしまいます。
また、友人を交流する時間や息抜きする時間も持つことができないためストレスが大きく、長続きしないスケジュールといえるでしょう。
スケジュールは詰め込みすぎず、少しゆとりを持たせましょう。
【時間調整ができる塾を選ぶ】
集団指導の塾は授業が始まる時間や曜日が固定されているため、塾以外のスケジュールに変更があったときに対応ができないということがあります。
例えば、大会前は練習時間を1時間延長するとなった場合、大会が終わるまでは通塾できない可能性があるでしょう。
個別指導の塾など指導時間をある程度自由に設定できる塾であれば、急な予定変更にも対応できるため、部活や習い事と塾を両立しやすくなります。
両立するときの注意点
【すぐに成果を求めない】
お子様が「両立させる」ことを条件に部活などを継続したまま塾通いを始めた場合、お父様やお母様は1カ月程度で「成績が上がっていない=両立できていない」と判断し、部活などを辞めさせてしまうことがあります。
しかし、塾は「行ったからといってすぐに成績が上がる」というわけではありません。お子様との相性がよい塾を選んでいても成果が出るまでに3カ月はかかるといわれています。
つまり、塾と部活などが両立できているかを正確に判断できるまでは、最低でも3カ月はかかるといえます。できるだけ早く成果を出してほしいという気持ちは分かりますが、1カ月や2カ月で「両立できていない」と判断しないようにしましょう。
【成果が上がらないのは部活のせいではないかも】
半年以上塾通いをしているのに成果が出ないとなると、いよいよ「両立が難しいからだろう」という気がしますが、本当にそうなのでしょうか?
部活動などで疲れて勉強がはかどらないというケースは確かにありますが、塾の指導レベルや内容、講師の質などがお子様の個性に合っていない場合も成果はなかなか出ません。
部活を辞めさせた方がよいと判断する前に、塾がお子様にあっているかどうかを再確認したほうがよいでしょう。
【迷ったら子どもに判断させる】
スケジュールやモチベーションの関係で両立が難しくなってきたら、部活と塾のどちらかに専念することを選択するのもよいでしょう。
このとき、「どちらを優先するか」「一時的に休むだけにするか」「もう少しがんばってみるか」など迷ったときは、できるだけお子様自身に判断させましょう。
例えば、お子様自身が「塾を辞めて部活に専念したい」と考えているのに、お父様やお母様が「部活を辞めさせる」という判断をした場合、部活を辞めたことで意気消沈したお子様は学習への意欲も失ってしまうでしょう。
このような場合、塾の代わりに自宅学習の時間を増やし、塾通いは部活を引退してからにするなどの方法がよいかもしれません。
まとめ
小学校高学年や中学生は、身体的にも精神的にも日々変化する年頃です。人間関係が複雑になったり、付き合いの幅が広がったりすることで「自分のための時間」が多く必要になることもあるでしょう。
塾などのスケジュールも状況に合わせて変更できるよう、定期的な見直しを行いましょう。
また、自分の意思を持っている時期なので、お子様自身の判断を大切にできるとよいですね。